東京都民であるということ
都民ではないので投票権は無いのだが、やっぱり都知事選の話題に触れない訳にはいかんよなあということで。
脱・脱原発したい無自覚都民のための都知事選エンジョイ法 | ポリタス - 「東京都知事選2014」を考える
こちら津田大介さんが今回の都知事選をより深く理解する為に開設したサイトなんだけど、リンク先の竹田圭吾さんの記事を読んで、んんん?と思ったことをば。
都知事選がユニークなのは、投票する人々が自分を「都民」だと思っていないことである。
私は生まれてから49年間、ずっと東京に住んでいるが、ああ俺って都民だなあと感じたことはないし、そう意識している人間に出会ったこともない。
記事の冒頭で、竹田さんはこう語っている。
僕はここに違和感を覚えるんだよね。
「自分を「都民」だと思ったことがない」って、マジっすか?って。
でも、確かにそうなんだよな。自分の周りの東京都出身の人も、同じようなことを言っている。
「帰る故郷があるのが羨ましい」って。。。
でも、なんだか僕はいつも違和感を覚える。
東京って、そんなに無味簡素なところだっけ?って。
ちきりんさんが最近ブログで述べたことを引用すると、東京は「1)ニューヨーク、ロンドン方向 (“伝統都市”と呼びます)」である。
この伝統都市を目指せる都市は、世界でもそう多くない。なぜなら
そこには、政治的な安定性や治安、一定レベルの衛生状態や住民の教育レベルが不可欠なことはもちろん、それなりの人口集積と物理的な広さが必要となります。
そしてそれ以上に、歴史に裏付けられた多彩な文化の蓄積が重要であり、
・人工的できれいに整った先進的なもの
・自然
・歴史的に育まれた猥雑な生態系としての文化(しかも複数の)
が、3つとも揃っていることが必要
になってくるからである。
自分が抱いていた東京に対する印象をズバッと言い当てられた気がした。
そう、東京は単に人が多いだけじゃない。
江戸時代から脈々と積み上げられてきた人間の様々な「雑味」が混じり合った、特殊な空間である。
なんというか、これはいくらお金をかけたって、いくらたくさんの人を集めたって、一朝一夕でできあがるものじゃない。
東京って、めちゃくちゃ面白いし、いろんな所から人が集まる、とても魅力的な街だと思う。だから、東京都民って、むちゃくちゃ誇り高いアイデンティティだと思う。
こんなに魅力的な場所で生まれ育っただなんて、ものすごく運がいいことだよ?
「故郷が無い」「飲み屋で語れる県民性がない」って、僕から見ればふざけるな!って感じ。
こんな素晴らしい故郷があって、お前は何を贅沢なことを言っているんだと。
もう一回、自分の街を見てみなって。歴史を振り返ってみなって。
近代日本はどこでもない、あなたの生まれ育ったまさにこの「東京」を中心に育ってきたんだぜ?
そんな素晴らしい故郷のトップを決める都知事選。
あなたはそれでも今回の選挙に「無関心」でいられますか?
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