官主導の再建なんてうまくいくはずありません
日の丸半導体の誤算 ルネサス襲う迷走の力学 :日本経済新聞
なんというか、企業再建に国が絡んでもうまくわけないよね、ということを再度認識させられる記事。
記事によると、ルネサスが没落したそもそもの原因は行き過ぎた「多品種少量生産」とのこと。
顧客のニーズに応えようと、あまりにニッチな半導体を作り続けた為に、低コストで汎用性の高い商品を作れなかったのだという。
中小企業ならともかく、ルネサスなんて大企業が汎用性の無い商品を作り続けたら、そうなることは目に見えていたんじゃないだろうか。
顧客の多様な商品にあわせて自社の製品を作りかえるんじゃなくって、自社の製品の特性を生かした製品を顧客に作ってもらうようにしないと、市場での優位性が無くなってジリ貧になっちゃうってことを、当時の経営者は考えられなかったのかね?
まあ、ルネサス没落の原因が商品にあったとするならば、目指すべき改革の方向性は、多くの顧客にとって魅力のある製品を市場に送り出すことだ。
でも、ルネサスにそのための技術やノウハウがない。
じゃあどうするか?
方法は2つ。
自分たちで一から作り出すか。
外部から取り入れるか。
前者は現実的ではありません。
なぜならその為には莫大な費用と労力がかかるからであり、経営再建中のルネサスに、もちろんそんな体力はありません。
となると現実的なのは、すでに同分野で成功を収めている企業から、その手法を取り入れることです。
記事によると、提携先としては外資が有力候補。
ルネサスが本当の意味で生き残る為には、外資と手を組むことが一番現実的であり、かつ効果も高い手段なのです。
でも、ルネサスの再建に深く関わっているのは経産省や革新機構です。
どちらも国の機関です。だから
特許などの知的財産の国外流出を招きかねない国際再編に対しては、民間の感覚より慎重にならざるをえない。
らしいです。
未だにそんな感覚でいられることにびっくりですね。
これだけ国際化が進んでいる世の中で、国内だけでなんとか再建を図ろうとする人たちに任せたって、うまくいくわけありません。
それこそ国税の無駄だと思うんだけどなー。
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