思考錯誤

これは、俺の人生の軌跡だ。

既得権を守ろうとしてももはや無駄なんだよな、という話。

NHKクローズアップ現代のHPを見ていたら、興味深い特集がありました。

こういう放送全文文字おこしは、TVない自分みたいな人にとっては大変ありがたいですなぁ。

 

追跡 “出家詐欺” ~狙われる宗教法人~ - NHK クローズアップ現代

てか、出家詐欺って言葉が凄いですね。

恐らくこの手の詐欺はずいぶん前からあったんだろうけど、対象が宗教法人っていうことで、長い間表面化されてこなかったんだろうなと思います。

そういう意味ではさすがNHKといったところでしょうか。

出家すれば戸籍の名前を変更できるなんて、全然知らなかったし、それによって多重債務者の借金を帳消しにできるなんて、本当にびっくりしました(実際には帳消しになるわけでなく、借金の履歴が見えづらくなって、信用調査に引っかかりにくくなるだけなんだろうけど)

日本にはお寺が約7万5000ほどあって、その数はコンビニよりも多い!のだと言います。

ちなみにコンビニの店舗数は49,930店(2014年3月時点。一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会調べ)

http://www.jfa-fc.or.jp/folder/1/img/20140421103219.pdf

なんでそんなにお寺が多いのかというと、江戸時代の徳川幕府による宗教政策のためだとのこと。キリシタンを禁止する為にお寺を全国各地に配置したんだそうな。

てか、そんな昔の名残が未だに残っているんですね。そりゃあ立ち行かなくなるお寺が出てきてもあたりまえというかなんというか。

この放送の文字おこしを読んで、僕はこれまで「信仰の自由」を理由に、古めかしい体質的な問題を見てこなかったことが、そもそもの発端なんじゃねーの、と思いました。

徳川時代に、しかも国民の信仰を規制する為に建てられたお寺を現在まで存続させて、しかも今度は「信仰の自由」を理由に放置するなんて、いくらなんでも感覚がおかしすぎる気がします。

しかも活動をしていない名ばかり宗教法人を解散させる為の手続きがまた複雑で、なんでそんなに複雑なのか?っていうのも、また昔ながらの法律の縛りのせいという。。。

このページをみると「単に登記簿上等にのみ形式的に存在していることが明らかなものについては、昭和五八年三月配布済の「不活動宗教法人対策の手引(所轄庁用)」等を参考にして、解散についての指導等必要な措置をとること。」ってかいてあります。

昭和五八年三月配布済」の手引きを参考にしてって、、、そりゃあ手続きが上手くすすむはずがありませんね。

あと、この番組の最後の方で、慶應義塾大学中島隆信教授は「これを気に日本の宗教心を高めることが大切だ」みたいなことを言っているけど、いやそうじゃないだろ!と思ったのは私だけじゃないですよね?

地方の過疎化と都市部のお寺離れが宗教法人の収入減につながり、ひいてはこういった詐欺がはびこる原因になっているとのことです。

それぞれ取らなきゃならない対策は違ったものになるでしょう。

しかし、根本的な原因は、既得権にしがみつき続け、時代に合わせてあり方を変えてこなかった宗教法人と、この国の体質そのものにあるんじゃないでしょうか。