【書評】5日間で「自分の考え」をつくる本
「声に出して読みたい日本語」などの著作で知られる明治大学の齋藤 孝先生の本。
これからの時代を生きるには、人から言われたことを素直にこなすだけではなく、自分で考えて、行動することが大事だよ、ということを説いた本。もうそんな本ばっかりでんがな。わかっとるがな。
まあ、そうは言っても自分で考えることは、なれていない人にはなかなか難しい。
この本が、その他類書と違う点は、たったの5日間で自分で考える力を身につけられるとうたった点だ。
まあ、現実問題、たったの5日で気の利いたことが言えるようになれば誰も苦労しないわけで、この本に書いてあることを実践したからといって、本当に5日間で自分なりの考えを表現できるようにはならないだろう。
というか、この人の本はどうも内容が軽いというか、俗っぽくて好きにはなれない(じゃあなんで買ったんだよということは言わないでくれ)。
でも、さすがに大学教授だけあって、ためになることもたくさん言っている。
この本に関して言えば、第一章を読むだけで、十分元がとれる。
逆にいうと、第一章以外はそんなに真剣に読まなくても良いかもしれない。
そんな第一章で語れていることは「レビューを書け」ということである。
例えばアマゾンや食べログのレビューがそれにあたる。
齋藤先生は
レビューを書くことは「自分の考え」を表明する初期の訓練として最適といえる
とこの本の中で言っている。
その理由として
1.自分の好きなテーマからスタートできる
2.コツを学べばすぐ上達する
3.多くの人からの評価が得られる
4.もしかすると有名になれる
と言った点をあげている。
まあ、4に関しては完全に棚ぼた的なものであるが、1〜3はなるほどなと思う。
例えばアマゾンのレビューなんかみても、よっぽどメジャーな小説や大ベストセラー出ない限り、レビューは多くて数十件〜100件程度だ。
それくらいの人数だったら、自分のレビューが読まれる可能性は結構高い。
もしかしたら、自分のレビューを読んで、その本を買ってくれる人がいるかもしれない。
そうしたら、またレビューを書こうというモチベーションに繋がるし、もっと良いレビューを書こうとも思うだろう。
なんだかんだで、結局大切なのは継続である。
一年に数回、何千字もあるような大レビューを書く人より、週に3回、500字程度のレビューを継続的に各人の方が、アウトプット力は確実に上昇する。
ひいては「自分の考え」をうまく表現することができるようになる。
だから、自分の好きな分野でレビューを書き続けることが、「自分の考え」をつくる為には何よりも大切なんじゃないかな、とこの本を読んで思いました。
僕に取ってその一つは書評なんだけどね。