別に企業に評価されなくたっていいんじゃないの？

だから日本はズレている (新潮新書 566)

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古市 憲寿 新潮社 2014-04-17

 

以前勤めていた会社で採用活動のサポートをしたことがあるんだけど、その時に感じたのが「なんで自分たちってこんなに偉そうなんだろう」ということ。

 

面接に来る学生を「あいつはコミュニケーション能力あって使えそう」だとか「○○大学のくせに頭悪いな」だとか「働くことをなめている」だとかその他色々。

 

まあ採用する側もこれから一緒に働く人を選んでいるわけだから、ちゃんとした人、優秀な人を採用したいという気持ちはよくわかる。

 

なんか、でも学生がかわいそうだよな、と当時の僕は思った。

 

たかだか数十分の面接の受け答えで「できる」「できない」を判断される。

そういった「大人受け」する受け答えが特異な人はいいけれど、そうじゃない人（僕もそうだけど）は、何度も何度も面接で落とされて、どんどん自信を失ってしまう。

 

古市さんの「だから日本はズレている」にこんなことが書いてあった。

 

大学時代に、学生はそれぞれの「成長」をするはずだが、そのゴールの一つが就職と設定されてしまっている以上、「就活に成功した人」というのが「成長」に成功した人と見なされてしまうのだ。

そうなんだよね。

多くの人にとって、大学に入る目的って生涯で一回だけ使える「新卒カード」を使って大企業に就職することなんだよね。

そしてそれができなかった人は人生の負け組というレッテルを貼られる。

古市さんも言っている。

就活というのは、自分を売り込むという最も簡単な営業の一つだ。自分さえも売り込めない人が、社会人になった時、誰かが作ったモノを売り込めるかは怪しい。何かを「売り込む」というのは、もはや文系や理系を問わず必要とされるスキルである。

悔しいけど、一理ある。というか、これは純然たる真実だ。

そして、以下のように続けている。

就活を楽しめる人は、たぶん入社後も働くことを楽しめる。そして就活が大変だった人は、たぶん働いてからも大変だ。日本で生きる限り、就活カーストの呪縛から逃れるのは、難しい。

これも実感として感じている。僕は就活があんまりうまく行かなかった。

だから、今もとても苦労している。

でも、別に企業に評価されなくたって良いと思う。

それは負け惜しみとかじゃなくて、そんなに他人の評価ばっかり気にしてたら人生つまらないし、どうやったって評価してくれない人や組織は存在するしね。

なんだか全然まとまらなくなってきたけれど、他人の評価に踊らされずに、自分を信じていこうじゃないか。