【書評】投資家がお金よりも大切にしていること その3
本日3回目の連載シリーズ。すでに察しのいい方はご承知の通り、1章につき1エントリで書いております。
その方がトピックスまとめやすいという、本当に個人的な都合によるまとめ方です。
もっと執筆力が上がれば、もうすこし工夫したエントリが書けるのになあとも思います。
■日米における、ヒーロー像の違い
僕が第二章で一番びっくりしたのが、日米間のヒーロー像の違いです。
アメリカでは、スパイダーマンやバッドマン、X-MENなどのヒーロー達は、みな民間人です。スパイダーマンは一大学生、バッドマンはゴッサムシティに暮らす資産家、X-MENを組織化したプロフェッサーXことチャールズも、学校を運営する実業者です。
一方日本のヒーローは、ウルトラマンをはじめ、水戸黄門や遠山の金さん、そして最近では「踊る大走査線」の青島や「相棒」の水谷さんまで、皆「公」の立場にある人、つまり「公務員」です。
(ただし、漫画になるとこの点はぶれるのですが、それは漫画がやっぱり一段下のサブカルチャーとして捉えられていることに関係しているのではと、私は考えています)。
これは本書を読むまで気付くことすらなかったですが、確かに日本では「正義のヒーロー」といえば何らかの国の機関に所属している人です。これは前回の「寄付をしない日本人」の話とも繋がってくることかと思いますが、とにかくお金にならない無償の奉仕は、国がやるべきことだという日本人の考えを繁栄している事例だと言えると思います。
「金にならない、面倒なことは全て公共機関がやるべきである」
これは、よく考えると非常に貧しい価値観のようにも思います。
裏を返せば「金になることしか、俺たちはやらないよ」と言うことです。
そんな考えを持っている人たちが、何を持って「お金儲けは悪だ」といっているのか、本当に謎です。それってつまり、お金にならないことはやらない自分たちは、お金に卑しい人たちだと、世界に向けて公言しているようなものではないでしょうか?
日本人は、「清貧」か「汚富」の二つの軸でしか物事を捉えられないとのこと。
第三の道である「清富」があることを、日本人は知らないのだそうです。
お金儲け=汚いこと。
ではなくて、綺麗にお金を儲ける道があるんだよと言うことに気付くことが、お金を稼ぐ=良くないこと、という価値観から脱する為の第一歩なのではないでしょうか?