【書評】糸井重里さん×早野龍五さん「知ろうとすること。」を読んで
糸井重里さんの本は何気に初めて。
この本は2011年の東日本大震災で起きた福島第一原発の事故について、2014年の今だからこそ言えることを、糸井重里さんと、物理学者の早野龍五さんが対談して語り合った本だ。
考えさせられるところがたくさんあった本だけど、まず僕がなるほどなあと思ったのは、序章で早野さんがいったこと。
たとえば、ニュースはセンセーショナルな内容でない限り、なかなか取り上げない。「こんなに危ないデータがでた!」というのはニュースになるけど、「今のところ、悪いデータは出てません」とか「悪かったデータが、少し改善しました」というのは、ニュースになりづらい。
なるほどなあ。確かに、ニュースサイトや新聞、雑誌などでまず目に入るのは、大仰なタイトルの記事である。そして、それは報道する側もお金を儲ける必要があるから、ある程度は仕方ないのだろうな、とも思う。
よりPVを稼げるコンテンツを、より部数をはけさせる特ダネを、というのは彼らもまた株式会社だから、しゃーないといえばしゃーない。
その辺のバランス感覚は取らなきゃならないんだろうけど、ねえ。
そしてこれは何度も言っていることだけど、僕たち消費者ももっと賢くならなきゃいけない。メディアがくだらない情報を発信し続けるのは、その方がPVや部数が稼げるから。つまりは消費者である僕らがその「くだらない」情報を求めているからに他ならない。
人のせいばっかりにするんじゃなくって、僕ら自身も、変わっていかねばならないのだ。なんていうことを、考えた。