思考錯誤

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【書評】大前研一氏「日本の論点」を読んで その1.貯蓄を消費に向かわせろ!

 

日本の論点

日本の論点

 

ちきりんさんも薦めているが、この本がとても勉強になったのでメモ。

 

大前研一さんと言えば、ちょっと前に東京都知事選にも出馬したことがある、日本を代表する参謀である。

 

本人曰く、マハティール大統領や、日本の歴代首相の参謀をしていたこともあるとのことで、まさに近現代史に大きな影響を与えた人物の一人といっても過言ではないだろう。

 

で、そんな大前さんが雑誌の連載を元に出版したのが本著である。

 

今の日本が抱えている問題点が、分かりやすくコンパクトにまとめられている。

なるほどと思った点をブログにしたためて、この本の論点を自分のものにしたいと思う。

 

さて、まずは日本の眠れる資産の活用法について。

 

日本が「失われた二〇年」から得なければならない最大の教訓は、ケインズ経済学以降のマクロ経済理論はもはや通用しないということ

とのことで、それはこれだけ赤字国債を発行して、日銀によるゼロ金利政策量的緩和を押し進めても、一向に問題が好転しないことからも明らかである。

 

格差社会」「地方格差」「少子高齢化」などといった問題に取り組む為には、これまでの成功パターンを妄信していてはダメだと、早く気付くべきである。いや、本当はみんな気付いているんだろうけど、既得権にまみれた政治家や資産家達が、自分たちの利権を手放したくないから本質的な解決策をとろうとしないんだろうな。

 

量的緩和などのバラマキがうまく機能しない理由を、大前さんは心理的な要因で解説している。

 

ゼロ金利政策量的緩和で市場に資金を供給しても、金融機器の後では銀行は自らの生き残りを優先するので、リスクを取ってまで貸し出さない。貸し渋りや貸し剝がしが横行し、経営が苦しい中小企業や個人には資金が回らない状況が生まれた。

 

あるべきところにお金が与えられた。でもお金を与えられた人は、過去の失敗がトラウマになって、思い切った融資ができなくなってしまったということだろう。

 

また、現在はグローバル化が進み、お金も決して国内だけを循環しているわけではない。特に製造業なんかでは、より安い人件費に惹かれて、国外に工場をつくり、国内に比べてずっと安い賃金で労働力が手に入る途上国にどんどん資本を投資している。それは今に始まった事ではないのだ。

 

さらに悪いことに、国内で資産を持ってい人たちは、「いざ」という時に備えてお金を貯蓄に回してしまう。

 

日銀が2014年末に発表した資金循環の日米欧比較によると、日本の家計資産は2014年9月末時点で1,654兆円あり、そのうちの52.6%が現金・預金であるらしい。

 

本当に日本人はお金を貯めるのが大好きだ。そしてたちの悪いことに、その資産のほとんどは50歳以上の高齢者が保有している。月並みだけど、彼らの資産を市場に投下させないと、日本の景気は決して良くはならない。

 

お金を持っていな若者達にいくら発破をかけてもあんまり意味がないのである。

高齢者にどうやってお金を使わせるか?それを僕らはもっと真剣に考える必要があるんだろうな〜とより強く考えるようになりました。

 

カジノ誘致だとか、交流の場をたくさんつくるってのは良いかもしれないね。

有料の会員サークル的なものを作って、イベントとかたくさん開催して、どんどんお金を使ってもらうってのもアリかもしれないなあ。とか考えたり。

 

日本の論点

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