【書評?】「日経競争地図」を読んで。個人的に期待しているのは、鉄に代わる素材かなあ
ブログ自体も久々なんですが、今日は久しぶりに最近読んだ本の感想をば。
自分にとっても、読者にとってもあまり有益じゃないかもだけど、最近ブログの更新が滞り気味だから、何でも書こうという訳でございます。いやあ、未熟。
さてさて、先週の花金に(ああ、次の花金は5日後か、、、)本屋で買った「日経競争地図」が面白かったのでその感想を。
業界地図はたまに買ってパラパラ読むんだけど、その競合図版ということで、物珍しさについつい買ってしまいました。
途中まで読んだ感想を一言で言うと、本当に今までの常識が通用しなくなる世界が迫ってきているんだなと改めて思いました。前半部分は結構知っている話が多かったんだけど、後半部分は勉強になることが多かったです。
で、僕が一番面白かったのが素材分野のイノベーションについての記事。
鉄鋼に代わる素材についての特集が面白かったです。
具体的にはアルミや炭素繊維についての話が取り上げられていました。
もし本当にこれらの素材が鉄に取って代わるような時代がくれば、その市場へのインパクトは計り知れないものになるでしょう。それこそ歴史の教科書に載るくらいのインパクトがあるんじゃないかなーと素人ながら思ってしまいました。
なぜか?
それはアルミや炭素繊維が鉄に対して持つ優位性に着目すると分かります。
アルミや炭素素材が鉄より優れているのは、「軽さ」と「頑丈さ」です。
鉄よりも軽くて丈夫な機体が作れるとなれば、そのメリットは計り知れません。
同じ性能の機体を作るとしても、重量が今までの半分になるとしたら、その機体を動かすのにかかるエネルギーも、半分とまでは行かなくても確実に何割か削減できます。
エネルギーコストが削減されれば、旅客機等の場合は、乗客の支払う料金も下がるだろうし、原料を輸送するコストも下がる訳だから、PCやTV、エアコンなどの電化製品の価格も、今までよりもずっと安くなるかも知れません。もちろん、会社も今までよりも安いコストで原料を輸送できる訳だから、社員に払うお給料もそれほど減らさなくて済むのではないでしょうか?そして何よりCO2の排出量なども減り、環境へも優しいといいことずくめですね。
また、もしアルミや炭素繊維が鉄に代わって自動車や旅客機、建造物の主要な素材となれば、今までの業界勢力図が一気に塗り代わる可能性が非常に高いです。
今まで鋼板を供給することで世界を牛耳ってきたメーカー、例えばアルセロール・ミタルや新日鉄住金、JFEホールディングスといった超メジャーどころに代わり、東レや帝人など、全くの異業種メーカー、もしくはそれらのメーカーが考えつきもしなかった画期的方法でアルミや炭素繊維の量産化に成功した、名もない新興メーカーが台頭する可能性が、ないとはいい切れません。
もちろん、アルミや炭素繊維が鉄に取って代わる為にクリアにしなければならない問題はたくさんあります。それは例えば製造コストだったり、リサイクル技術だったりするのですが。
そして、現在実用化されている鉄にも、まだまだ改良の余地は残されており、さらなる軽量化は十分可能だと言われています。
この本を読んだ印象だと、よほど画期的なブレイクスルーが起きない限り、まだまだ鉄の優位性は続くと思われましたが、それでもアルミや炭素繊維に期待する人々も(私を含め)少なからず存在する訳で、それらの人々が努力を続けているかぎり、いつか鉄に代わる新しい素材が生まれれるだろうと、僕は期待しています。
一般的にこういった素材分野は、なかなか構造転換が起きにくい分野だと言われています。それだけ他の分野に比べて新しいものが生まれにくいということではあるんだろうけど、それだけに今まで当たり前だと思われていた常識が覆された時の衝撃は、例えば変化の激しいインターネット業界のそれとは比べ物にならないくらいの環境の変化を、私たち人類にもたらすものだと思います。
そして、それは恐らくITの発展により、今までよりも遥かに早いスピードで現実のモノになるのでしょう。
そう考えると、もはやのほほんとあぐらをかいていられるような業界は、世の中から消えつつあるのかもしれませんね。変化を恐れる人たちにとっては、ますます生きづらい世の中が本当にすぐそこまでせまってきているんだなーと改めて実感しました。
まあ、実はそんなことはどうでもよくて、アルミや炭素繊維の実用化によってもたらされるであろう未来に、私はワクワクしっぱなしです。これは僕の妄想で、本当にそんなことが可能かどうかわかりませんが、例えば
・海の下を通る国際トンネル
・超高速列車、音速越えの旅客機
・1000メートル越えの超超高層ビル
・夢の宇宙エレベーター
なんかが、現実のものとして現れるんじゃないかと期待しています。
もしアルミや炭素繊維、そしてそれらを超える画期的な素材によって、今まで現実不可能だと思われていた建造物が実際にたてられるようになったとしたら、こんな楽しいことはありませんね。いやあ、頑張れ人類。俺も長生きするよ。