思考錯誤

これは、俺の人生の軌跡だ。

【書評】「闇金ウシジマくん」が怖すぎるのに面白くて困る

 

闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)

闇金ウシジマくん 1 (ビッグコミックス)

 

今年はちきりんさんのソーシャルブックリーディング参加ならず。

まあ、仕事が忙しかったのと、課題本が分厚かったので、しゃあないかな。

昭和史の著者は何気に高校の先輩らしく、課題本も10年くらい前の学生の時に読んだんだけど、読みやすくて面白かった気がします。

まあ、夏休みで時間もあるので、自分の教養の為にもじっくり読み直そうかな。そう、歴史を学ぶのって大事なんですよね。

 

大学は地方のなんちゃって国立の歴史学コースにいたから、なんとなく「歴史は何の為に学ぶのか?」みたいなことはずっと考えています。

でも、なかなか答えが出ずに悶々としていて、そもそもこれはそんなに悩むことなのか?そもそも歴史なんて金にもならないことだし、学んでも意味ねーんじゃねーの?と考えてもいました。

そんな中で今回戦後70年の節目に、あのちきりんさんが歴史の本を自身のイベントの課題本に選んでくれたことは非常に嬉しく、なんだか「いや、自分の思いは無駄じゃなかったんだ」と思え、少しだけ救われた気分になりました。

 

いやあ、参加したかったぜ。来年はちゃんと課題本読んで参加したいですね。

 

 

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)

 

 

さて、話変わって、前から気になっていたウシジマくんを最近TSUTAYAでレンタルして読み始めました。

 

いやあ、何これ?

 

怖いよ、怖過ぎるよ。

 

まだ10巻までしか読んでいないのですが、フリーターくんとか、サラリーマンくんとか、思い当たる節がありすぎて怖すぎるんだけど!

 

闇金ウシジマくんとは、闇金業者「カウカウファイナンス」の経営者ウシジマくんの元に訪れるどーしょもない債務者が、どんどんとドツボにハマっていくさまをこれでもかと丁寧に描いた金融系ホラー漫画?です。1巻とか本当にトラウマものです。思い出しただけでも酔いが醒めます。

 

いやあ、同じ金融系なら、現実世界を取り扱った「金融日記」のほうが全然救いがありますね。どれだけ批判されても、僕は購読し続けますよ(もちろん、周囲の人には黙ってますが)。一部では「新興宗教」とまでいわれているようですが、まあ、恐らく1万人単位で購読者のいるであろうメルマガなので、そりゃあ中にはおかしくなる人も出てくるわけで。

 

 

多分多くの購読者は、自分の生活と上手く折り合い付けながらおもしろがって読んでいるのではないでしょうかね?まあ、何事もあんまりハマりすぎないのがよろしいのかと思います。

 

話を戻します。ウシジマくんの作者は、漫画を書くにあたり、非常に丹念な取材をするそうです。

 

だからなのでしょう。ここに出てくる登場人物の奈落に落ちていく心理描写が非常に現実感を持っているのは。

 

僕自身、30歳を過ぎて、未だ年収300万円だし、貯金もないし、彼女だってできたことが無い。だからいっそう、この漫画に出てくる登場人物たちの気持ちがよくわかってしまう。

 

まるで、明日の自分を見ているかのようで、空恐ろしい。

 

「あー、いるよね、こういう人。やだやだ、闇金とか消費者金融で借金するなんて信じられない」と、フィクションとして楽しめないのだ。いつ闇金に手を出してもおかしくない状況に、僕はいる。

 

いやいや、おれはおめーみたいな任期付の契約社員じゃねーし。一般事務じゃねーし。フリーターじゃねーし。家族もいるし、正社員だし。そこそこ責任ある仕事してる。と思っているそこのあなた。

 

甘いですよ。

 

闇金ウシジマくんの世界には、しっかりと「正社員」で「責任ある仕事をしている」「家族持ち」の人も登場します。

 

どんな人でも、一歩間違えれば「闇金ウシジマくん」の世界に足を踏み入れてしまいます。そして、一度この世界に足を踏み入れたら、恐らく脱出するのはほとんど不可能でしょう。

 

自分への戒めの為に、この夏休み「昭和史」とともにぜひとも一読することをおススメいたします。てか、これは中学生位の夏休みの課題本にしてもいいんじゃね?と割と本気で思ったよ。

 

闇金ウシジマくん」怖いけれどおススメの漫画です。

 

 

闇金ウシジマくん(1) (ビッグコミックス)

闇金ウシジマくん(1) (ビッグコミックス)