思考錯誤

これは、俺の人生の軌跡だ。

くい打ちだけじゃない、下請け会社が抱える闇

横浜のマンションが傾いたことに端を発した建設業界そのものを揺るがしかねないくい打ち偽装問題ですが、恐らく多くの日本人は、この展開を予測できたのではないか?と思います。

 

基本的にこの国(まあ、どこの国も一緒かな?)の経済は、数少ない大企業と、その大企業から発注された仕事を請け負うことで生計を立てている中小企業とで成り立っています。

 

トヨタ系列なんて言葉がある通り、トヨタの自動車の部品の製造はその系列会社に委託され、その委託先の会社はその部品を作る為に必要な部品を、さらに別会社に委託します。

 

リーマンショックで、日本の製造業が一気に景気が悪くなりましたね。

その際に、多くの中小企業が倒産したことを覚えている人も多いと思います。多くの大企業も、かつて無いほどの赤字をたたき出し、多くの社員が路頭に迷いましたね。ぼくもリーマンショックの影響で、新卒で入った会社を半ば強制的に辞めさせられました。そのとき上司や役員から言われた「お前はダメだ」という言葉の呪縛から心身ともに自由になるのに、多くの時間がかかったことはまた別の機会に語りましょう。

 

そうそう、リーマンショックで、多くの会社が苦しい状況に追いつめられました。

その構造は、

大手企業:海外(アメリカ)で、モノが売れなくなった→売上が下がったから、コストを減らさねば!そうだ、原価を下げる為に、仕入れ値を下げよう→おい、下請け会社よ、この仕入れ値、もっと安くできるよな?え?無理??あっそ、じゃあ、もう仕事回さないけど、大丈夫、お宅??

下請け会社その1:まじかよ〜これ以上売値下げられたら、こっちも赤字で立ち居か無くなっちゃうよ、、、。こうなったら、コスト削減だ!その為には、仕入れ値を下げないとな。ねえ、下請け会社2さんよ、これ、もっと値段下げられないの?え?無理?ふーん、じゃあ、もうお宅と取引しないけど、大丈夫??

、、、以下略)

 

てな感じで、どんどん下請けにしわ寄せが寄せられたからであり、結果として、資金力の無い小さな町工場がたくさん潰れることになりました。

 

結局、大変なのは、大企業にぶら下がる以外に自社を経営することを知らない下請け業者なのです。

今回のくい打ち偽装の問題も、基本的な構造は一緒です。

大きな会社から仕事を貰えなくなることを恐れた小さな下請け会社が、物理的に考えたら無理な納期に、精一杯応えようとして、その結果ごまかしの手段として、不正に手を染めてしまったのです。

 

biz-journal.jp

 

もちろん不正に手を染めることそのものは許される行為では無いでしょうが、そもそも業界の構造がおかしいのです。

そして、これはどの業界でも一緒。マスコミ関係だってそうでしょ?TV番組を作るのは、キー局から無理な納期で番組の制作を不当な値段で請け負わされた制作会社です。「下請けに無理な納期を要求する上場企業にも大きな責任があります」なんて、どの面下げていえるんでしょうか?

 

だからかね、すでにマスコミ各社も三井住友不動産よりも、下請けの旭化成建設、旭化成建設と同じ立場にいる下請け業者のあら探しにやっきになっていますね。

 

www.nikkei.com

 

個人も会社も、何かに依存しないと生きていけない、なんてことにならないようにしないといけないな、と一連の騒動から改めて学びを得たあんちえいじゃーでした。

 

おわり。