世界には、階層というものが存在する
僕は今、しがない一般事務員だ。
ゆえに、年収も高が知れている。
正社員で働く人たちとは、少なくとも倍、下手をしたら3倍以上の年収格差がある。
でも、彼らはそれを知らない。
多分、そういう格差があるということ自体を認識していない。
それは、とても残酷な真実である。
彼ら彼女らの中には、僕の人間性を認めてくれて、友達になろうとしてくれる人がいる。
その心意気自体はとても嬉しいし、尊敬すべきものだ。
でも、彼ら彼女らは知らない。
僕と自分たちの間にある、決して超えることのできない階層を。
いつだってその階層を理解するのは、より下の人たちだ。
彼ら彼女らは、その階層を理解できない。
なぜなら、彼ら(面倒だからもう彼らで統一!)は、上の階層の人間だからだ。
人間は、自分たちのいる階層が、世界の全てだと認識する。全てってのは言い過ぎだけね。世の中の大半の人は、自分の属する階層の人だと認識する。
それは、僕のいる階層の人でも、その一段、二段上の階層の人も同じである。
だから、階層内での交流は生まれるが、階層を超えての交流は生まれないし、仮に生まれても長続きしない。ソースは俺。
何が言いたいのかというと、僕のことを友達だ、仲間だと言ってくれた総合職正社員の彼らと僕は、決して友達にはなれないということ。
僕はもうすぐ今の職場を退職する。
でも、今の職場の人たちが僕と今後関わることはない。
なぜなら、僕と彼らでは住んでいる世界が違うから。
ごめんね。
僕と友達でいてくれると言ってくれた人。
その言葉に嘘はないだろうし、僕もとても嬉しかった。
でも、多分友達にはなれない。
なぜなら僕と君とは住んでいる世界が、この何十年かで見てきた世界が違いすぎるから。価値観を共有できない人とは、人は友達にはなれない。
だから、さよならです。
僕は僕にお似合いの、底辺の世界で生きていきます。
おしまい。