【書評】投資家がお金よりも大切にしていること その5
この書評もついに5回目。
いやはやよく続いているものです。
今回は「会社で働くこと」について。
本書によると、世界的にみて日本人は労働時間は長いのに、仕事をあまり好きではないらしいです。少し古いですが、2005年に行われた世界価値観調査によると、「余暇が減っても常に仕事を第一に考えるべきだ」と考える日本人はたったの20.3%だったそうです。
これは、調査した47カ国中最下位であり、15歳から29歳の若年層にかぎってみると、その割合はさらに下がって10.5%
とのこと。
なんだかとても興味深いデータだと思います。
じゃあ、何で日本人は仕事が嫌いなのに、世界で一番長時間働くのでしょうか?
それは、日本人の調和を重んじる価値観にあるんじゃないかと、私は思います。
「皆が頑張っているから、自分も頑張らなきゃならない」っていう例のアレです。
それは完全なる思考停止状態です。
周りと一緒に頑張る自分に安心する、周りと同じ価値観(つまり、滅私奉公で会社の為に尽くす)を持っている自分は、皆の仲間であるという安心感が、日本人を長時間労働に駆り立てるのでしょう。
それは、誰か力のある偉い人が言ったことで、多くの人は心の奥底では疑問を感じつつ、「周りもそうだから」というよくわからない理由で、分けも分からず長時間労働に従事しています。
恐ろしいことですね。
本来仕事というのは自分から進んでやるもので、誰かに言われてやるものではありません。何度も言われていることだけど、その辺の感覚を忘れないでいたいですね。