思考錯誤

これは、俺の人生の軌跡だ。

一番大事なところは、一番しんどい

僕らが何か新しいものを習得しようとしたとき(例えば英語だったり、ロジカルライティングだったり)、大抵は上手くいかない。

 

最初はやる気に満ちあふれているんだけど、大体が途中で挫折する。

 

三日坊主でやめちゃった、というのは論外として(そもそもそこまで必要性を感じていなかったのだ)、問題なのは続けてみたけど、あんまり成果が得られず、徐々にモチベーションがさがってしまった、という場合である。

 

英語の勉強始めたのはいいけれど、全然TOEICの点数伸びない。

会社の研修でせっかく論理的な文章の書き方を習ったのに、ちっともいい文章が書けない。

本人にはやる気があって、努力もしているのに、なぜか思うような成果が得られない人が世の中にはたくさんいる。

 

単に学習を辞めてしまうだけならともかく、自分はたいした人間じゃないから、、、と自信を失ってしまうこともしばしばだ。でも、それは本当に本人に才能がなかったから、その技能を習得できなかったのであろうか?

 

答えは恐らくNoである。

 

では、なぜ一生懸命に取り組んだのに、彼らはその技能を習得できなかったのか?

それは、一番最初の基礎の部分をきちんと習得しないまま、学習を進めようとしたからである。

 

一番最初の基礎の部分。例えば英語学習では、単語力だし、ロジカルライティングでは、伝えたいことを明確にし、それを伝える為に文書の構成を考えることだ。

 

そういった、一番始めに時間を書けて取り組まなければならないことをおろそかにするから、どれだけ時間をかけて学習をすすめても、一向に成果が上がらないのである。

 

では、なぜ彼らは一番最初の部分をきちんと習得せずに学習を進めるのだろうか?

それは、その部分の学習が、地味で、しんどいからである。

英語でいう単語力を向上させる為には、とにかく時間をかけて一冊の単語帳を繰り返し繰り返し覚えなければならない。地味だし、反復作業の繰り返しだし、習得までにはどうしてもある程度の時間がかかる。

 

そんなことよりも、英会話のレッスンを受けた方が、遥かに楽しいし、実践的な英語を習得した気になる。でも、肝心要の単語力がないから、習ったこと以上のことはできない。

 

ロジカルライティングでは、考える作業(言いたいことを明確にし、それを伝える為の論理構成に落とし込む)に何よりも時間をかけなければならない。しかし、頭を使うこの作業は、慣れないと非常に時間がかかるし、面倒なものである。しかも習得するまでは、なかなか上手く論理構成を整えることができない。しんどい。

 

それよりも、とりあえず書き始めてしまって、書き終わってから修正すればいいのでは?と考えてしまい、とりあえず書き始めてしまう。書き終わった後に推敲をするのならまだしも、最後まで書ききった満足感でいっぱいになってしまい、まず文章を見直すことはしない(僕もやりがち)。

 

繰り返すが、一番最初の基礎の部分をきちんと習得しないまま学習を進めても意味はない。

その先に待っているのは挫折だけだ。

 

確かに、一番最初の部分は地味だし、しんどい。

 

しかし、逆説的に言うとその時点の取り組みをしんどいな、辛いな、と感じるのであれば、きっとその分野は自分には向いていないものなんだろうし、無理して続ける必要もないんだろう(身もふたもないけど)。

 

それよりも、自分の好きなことや、得意なコトを伸ばした方が楽しいし、ストレスもない。そして、自分にとっては当たり前で、しんどいと思わないことが、案外他の人にとってはしんどくて辛いものだったりするのである。

 

つっても、どうしても習得が必要なことで、全然学習の割に効果がでないことがあって悩んでいる人がいるのだとしたら、その分野を習得する為に一番大事な基礎の部分をおろそかにしていないか、じっくりと考えてみるといいのかもしれない。案外原因は、その辺にあるものだから。