損をしている、という感覚は大切に
今日も家に着いたら日付が変わっていました。
半年くらい前にPCのコピー&ペーストのやりすぎで傷めた左手の小指がズキズキする今日この頃です(コピペのショートカットは「Ctrlキー+C」なので、左手の小指が変な形で独立しちゃうことは、事務員ならお分かりだろう)。
てか、これ労災降りないのかな?
降りないだろうな、なぜなら私は、一般事務員だからだ。
替えはいくらでもいる。
さてさて、僕ら一般事務員をはじめ、会社の職場で割を食っているのは、いつだって下っ端である。
なぜなら偉い人たちの仕事は、「決めること」で、彼らの仕事の多くは、密室の会議室と、彼らの頭の中で集結する。いわゆる頭脳労働ってやつですね。
翻って僕ら一般事務員の仕事の多くは、現場で起きている。事件は現場で起きているのです。
会議室や、偉い人の頭の中で決まったことを、実際に手と足を使って形にするのが、僕らの大切な仕事だ。
彼らが質で付加価値を提供しているように、僕らは量で付加価値を提供している。つまりは長時間労働によって。
偉い人が頭の中でシミュレートしたシステムは、往々にして完璧ではない。
なぜなら彼らは現場の細々した決まりを知らないからだ。
それゆえ、実際に彼らの決めたルールを現場に適応しようとすると、様々な弊害が生じる。でも、それをなんとかするのは、彼らではなく、現場で実際に運用を行う僕たち下っ端だ。なぜなら、彼らは忙しく、そのような重要でない仕事に時間を割いている暇はないからだ。よって、僕らの労働時間は飛躍的に増える。そして、偉い人の決めた不具合の火消しを、一生懸命行わなければならなくなる。
そういう時、僕はいつも「ああ、自分、損をしているな」と思う。
と同時にそういう時、仕組みを作った偉い人たちは、不具合の責任を取ろうとはしない。なぜなら上手くシステムが機能しないのは、現場の僕たちが悪いからだ。
事前の相談がなかった。
予め気づいて、報告すべきだった。なぜなら、私は現場の細かいルールなど知らないから。
主体性がないね、君たち下っ端は、だからダメなんだよ。
などなど。
一見、筋が通っている理屈を並べ、彼らは責任を回避しようとする。
まあ、口が上手いからこそ、彼らは組織で上に行けたんだけどね。
なんというか、僕を含めた下っ端の人に言いたいのは、自分の「おかしい」という感覚を信じてほしい、ということだ。もちろん、全く自分に非がないわけではないけれど。
でも、100%自分だけが悪いわけでもない。
重要なメールを打たなきゃならない時に、急に呼び出されて、別の用事を言いつけられれて、すっかりメールのことを忘れてしまった、という経験は、誰にだってあるだろう。
そして、その責任が100%自分にあるかといったら、そんなことは決してない。
なんでも抱え込みすぎる必要はないのだ。
なあに、どんなにどでかいミスをしても、命までは取られない。
ものすごく怒られるかもしれないけど、最悪クビになるだけだ。刑事責任までは問われないよ。横領でもしない限り。
僕らのような下っ端は、根が素直だから、「お前が悪い」と言われると、本当に自分が100%悪いと思ってしまいがちだ。
でも、そんなことは決してない。
だから、自分の中の「これはちょっとおかしいんじゃないか?」という感覚を、ぜひとも大切にしてほしい。きっとそれは、間違ったものではないから。
心まで、会社の偉い人に持って行かれないようにしましょう。
おしまい。