【書評】カイジ「命より重い!」お金の話 その1.
何気に今年一番ためになったかもしれない本の書評を何回かに分けて書こうと思います。
この本は漫画「カイジ」のエピソードを通じて、お金に対する知識を学ぼうと言う本です。
カイジを読んだことがないと面白くないのではと思ったのですが、そんなことは全然なかったです。むしろカイジを読んだことが無い人こそ手に取って読むべき本だと思いました。
【問題】
あなたは、銀行から年率12%で100万円借りました。銀行から「返済が大変でしょうから、返済は月々1万円でいいですよ」と言われます。毎月の返済額が減るのは、あなたにとっても嬉しいことであり、さっそくその条件で契約しました。さて、あなたが借金を返済し終えるのは、何年後のことでしょうか?
※なお、金利は「単利」とする。
A.5年
B.8.3年
C.10年
この問題に答えられないあなたは、「カイジ」的素養があります。
ちなみに僕はまんまとひっかかりました。
作者は冒頭でこんなことを言っています。
『カイジ』をはじめて読んだとき、この作品はお金についてのとても大事なこと、とりわけ、現代を生きる私たちが特に知っておかねばいけない「マネー・リテラシー」について語っていると感じました。
カイジの身に起こっていることは、確かに漫画の中の出来事。
普通に暮らしていれば、あんな状況に陥ることはまず無いかもしれません。
でも、実際にお金を苦に自殺する人もいれば、お金を理由に犯罪に走る人がいるのも事実です。
この本によると、個人がお金を借りる先は3業態あるとのこと。
1つ目は銀行・信用金庫などの金融機関。2つ目はクレジットカード会社・信販会社。3つ目は消費者金融会社。
なかでも3つ目の消費者金融は、かつて「サラ金」と呼ばれ、非常にイメージの悪いものでした。
しかし、現在の消費者金融は有名タレントをCMに起用し、必死にイメージアップに勤めています。
そのかいがあってか、現在20代の若者が消費者金融を利用する傾向が高まっているのだそうです。
彼らが消費者金融から借金をすることのリスクを知っているのかどうか、この本の作者は非常に危惧しております。
そしてその危惧はあたっているんだろうな、というのが私の感想です。
お金に対する知識が無いから、何の考えもなしに消費者金融から借金をして、そのまま一生完済できない無限ループに陥っていく人は、少なからず存在するのでしょう。
でもそれは、お金に対する知識が無いからで、お金に対する正しい知識を持っていれば、リスクヘッジはできます。
日本ではお金に関する話は不浄なものと考えられており、きちんとお金に対する教育がされてきませんでした。
だから大人になってお金に振り回される人が多いのだと言う筆者の意見には私も賛成です。お金に振り回されずに、自分の人生を楽しく生きる為にも、お金についてきちんと理解することは必要です。
その必要な知識が簡潔にまとめられた素晴らしい本だと思いました。
続きはまた次回。