【書評】投資家がお金よりも大切にしていること その2
とても為になったので第2弾。
■日本人ほど、お金に執着する人はいない?!
こういわれると、いやいやそんなことは無い!むしろ我々はお金に対して良いイメージを持っていない。という人が多いのかと思います。
しかし、それは幻想です。
上の表をみると分かるのですが、日本は他の先進国に比べて現金・預金の個人金融資産に占める割合が突出して高いです。
注)データは2008年時のもの。
他にもイギリスの保険・年金の割合が高いのですが、イギリスの保険・年金には投資性の強いものが多く含まれているそうです。海外の保険は日本の保険とは違い、投資的な商品に近いとのこと。
この統計データをみても分かる通り、日本人はとにかくお金を貯めるのが大好きです。
本書によると
お金が好きといっても、お金を使うのが好きというわけではありません。何かを消費するわけでも、株式などに投資するわけでもなく、現金や預金として、お金を自分の懐に溜め込むのが好きなのですから、「お金そのもの」が大好きなのです。
この言葉にどきりとした人も多いのではないでしょうか。
ちなみに日本では貯蓄こそ美徳と考えられておりますが、これは戦後日本から始まった考え方です。銀行や郵便局にたくさんお金を預けさせて、そのお金を使って各種インフラの整備や、公共事業にお金を回そうという当時の政府の思惑から生み出された思想なのです。
また、日本人は他の先進国の人に比べると、自分のお金を寄付する人が極端に少ないそうです。
他の先進国では、家計の2〜3%を寄付するのが一般的だそうですが、日本ではその比率はたったの0.08%とのこと。
東日本大震災のような、大きな災害直後でさえ、その比率は1%に満たなかったといいます(もちろん例年よりは増えたそうですが)。
そういったデータをみると、日本人はなんて金に汚い人たちなんだと、愕然とすると思います。
でも、そうではなく、単にお金についての知識が不足しているだけなのではないでしょうか。
思えば子供の頃から、日本ではお金についてほとんど勉強する機会がありませんでした。それは、先にもあげた「貯蓄こそが美徳」という古い価値観が、未だに浸透しているからだと思います。
日本の、特に教育現場は、本当に保守的でびっくりする位時代遅れですしね。
だからこそ、お金についてしっかり学ぶ必要があると思うし、この本はその入門書として格好のテキストだと、私は思いました。
続きはまた次回。